開業された先生のご感想
医療法人社団 穣クリニック
院長 中村 穣志 先生
自分の理想とする医療で患者さんにアプローチできるというメリット
平成4年に、大腸内視鏡検査技術の習得のために秋田赤十字病院の工藤進英先生のもとで研修したのですが、そこで、内視鏡検査で診断・治療ができる早期大腸癌症例を多数経験し、大腸内視鏡での早期癌の診断・治療の重要性を痛感しました。
当時、浜松にはそのような大腸内視鏡を専門に行う病院が少なく、いろいろな制約のある大学病院や一般病院での診療体制では限度がありました。
医療はサービス業ですから、まず患者様が気分良く検査を受けていただくことが重要です。 従来の施設では、腸内洗浄液を待合室の片隅で飲んだり、トイレが少なくて待ちがあったりと、患者様に負担をかけることが多く、これではサービス業としては不充分と考えられます。 そのためには患者様がくつろいで検査準備ができるスペースと、一人一人の専用のトイレが必要となります。
このためには患者様の負担を軽減する、内視鏡検査の専門施設をつくることが必要でした。
さらに、スタッフがプライドを持って仕事ができるクリニックの規模・設備も大切だと考えました。 これが開業のキッカケですね。
確かに、これだけの広さ・設備を持っているクリニックは近くでは見あたらないですからね。 設計している時からビックリしました。
通常の内視鏡の検査の負担を考えると、穣クリニックという診療所だから出来る患者の負担の少ない検査が本当にわかります。
それでは開業するまでに苦労したところや気をつけたところを教えてください。
自分の信念を持ち良い医療をしていれば、遠方からでも患者さんは来て頂けると考えていました。
開業地選定の第一条件は、将来的に診療所を拡張できる広さがあることでした。
あとは、患者さんがリラックスできる周辺環境であることも視野にいれました。
それを主眼として、不動産の流通の物件を当たっていたのですが、土地が狭かったり、隣地に建物があったり、条件を満たしてくれるような土地がありませんでした。
そこで休みの時など妻と車で良さそうな場所を探して廻り、現在の場所が良いのではないかということになりました。
当時、この場所は不動産物件にも掲載されていない田んぼでしたし、地主様のお名前も知りませんでした。
そのような場所に、いきなり「この場所にクリニックを建設したいので、よろしくおねがいします!」と私たちに依頼された旭建設の社長様も困惑されたと思います。
社長様のご尽力もあり、地主様との交渉、農地転用の手続き、設計の特殊性、工期短縮など、スムーズに対処していただけたことを感謝しております。
検査が終わればまた患者さんをその先生にバトンタッチするわけですから近隣の開業医の先生とはうまく連携できていると思います。
開業してよかったと思うところを教えてください。
現在、穣クリニックでは、年間約4000例の大腸内視鏡検査を施行しています。 これらの症例を基とし、系統的な内視鏡挿入技術・診断技術・治療技術の習得が可能と考えています。 将来的には研修施設の機能も併せ持ったクリニックに発展させ、医療に反映させていきたいと考えています。
私共は、穣クリニックさんの土地を探すこと、それこそ地主さんと交渉するところから既に中村先生と10年以上のお付き合いになります。その間、増築・別館建設・薬局の建設・その他いろいろなことを一緒に造り上げて御協力させて頂きましたが、当社の印象や対応はいかがですか?
安易に、解らない・出来ないといってしまえば、個人の進歩もないし、クリニックの進歩もない、ひいては患者様の利益にもならないと思っています。
最後にこれから開業を目指すドクターにアドバイスがあれば教えてください。